「寳田裁判を支援する会」ニュースNo.1
「寳田裁判を支援する会」結成
正式名称「寳田都子さんのうつ病労災裁判を支援する香川の会」
一月二九日、裁判と報告集会に引き続いて開かれた結成総会には六四名
が参加。総会では、『会』の目的、運営、財政や役員の提案があり承認さ
れました。最後に寳田さんから謝辞・決意表明があり、全員で裁判闘争勝
利に向けての意思を固め合いました。
傍聴記 吉田 智子
「支援する会の目的としては、第一義的 には寳田さんの裁判を勝利させること。そして、いま医療・介護や教育現場などの長時間・過密労働、パワハラをなくすこととしています。活動方針では、①広く世論に 訴え、②裁判の傍聴、③署名活動に取り組 み、ニュースの発行などです。
【当面の活動・申し合せ事項】として、① 毎回の裁判傍聴では傍聴席を満席にすること。②全力を挙げて署名活動に取り組み、五万筆をめざす。第一次集約を三月末とし、裁判所に提出する。③裁判闘争を支えるためにも(個人・団体)の会員を増やし財政を確立することが提案されました。
裁判では、満席の傍職者が見守る中、弁護側が証拠として提出した寳田さんのカ
レンダーを被告の国側の人が調べていました。時々小声で書記官の人とやりとりをしていましたが、淡々とした事務的な態度に見えました。裁判終了後、弁護士会館に移動し、報告集会と『支援する会』の結成集会が開かれました。弁護士の先生が、「裁判を公開にしてよかった。また傍聴席が満席になってよかった」と繰り返し話しました。その後、この間の経過の説明がありました。
寳田さんは、職場でのノルマ達成の強要や長時間労働に苦しめられ、あげくに「あなたの退職をみんなが望んでいる」などのパワハラを受けて精神障害に追い込まれ、退職を余儀なくされました。やむにやまれず高松労働監督署に労災を申請すると、「生きているのに申請するとは図々しい」とまたパワハラを受けました。そして、結局不支給にされたのです。寳田さんは、「後に続く人にこんな思いをさせたくない」と提訴を決意したとのことです。私はその勇気に敬服し、また香川で初めての労災認定を求める裁判だと聞き、歴史的な裁判闘争だと身が引き締まる思いがしました。私も共にたたかいたいと、『支援する会』に入会しました。
長時間労働・パワハラでうつ病に -労災不支給 -
寳田都子さんは、看護師として県内の病院などで約38年間働いた後、医療法人福生会介護老人保健施設「明けの星」(高松市)から強く要望され、平成24年1月看護師長として入社しました。入所音数95%確保(ノルマ)の任務と管
理業務を任されました.ところが施設内では看護師不足が常態化しており、寳田さんはノルマ達成が常に課せられたうえ、多岐にわたる膨大な業務をこなすために長時間労働、休日の取れない連続勤務を強いられ、理事長・事務長からのハラスメントなどで心身ともに疲弊し、動悸や不眠状態が続くようになりまし
た。平成25年3月7日、ノルマが達成できないことを理由に退職勧奨を含む降格処分の通告を受けたことで、極限の精神状態に追い込まれました。そのことが原因で精神障害 (「急性ストレス反応」のちに「うつ病」を発症しました。同年
11月高松労基署へ労災申請をしましたが、平成27年3月不支給決定とされ、その後、審査請求、再審査請求まで行いましたが、いずれも「棄却」となり、平成29年1月高松地裁へ提訴しました.
寳田さんは平成26年10月退職を余儀なくされましたが、突発性難聴で左耳の聴力をほぼ失い、耳鳴り、めまいも続き現在も病状は回復せず療養中です。寳田さんの「急性ストレス反応」(現在は「難治性抑うつ病」)は、明らかに業務に内在する危険性が発現したものであるにもかかわらず、原告が請求した労災の休業補償給付の請求は不支給処分となりました。
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